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『悔しみノート』
梨うまい 著 祥伝社 発行 一般 914.6/ナ
芸術系の大学を卒業したものの夢破れた著者が、さまざまなエンターテイメントに触れて感じた「悔しみ」を強烈な毒とともにノートに書き殴る。
1年間綴り続けたその悔しみを一冊にまとめたものが、このエッセイ集『悔しみノート』です。
こう聞くと、ネガティブで暗い本?と感じるかもしれませんが、その嫉妬心や悔しさの裏には、良い作品に対するひれ伏すような憧れの気持ちと、
自分に対する情けなさのような気持ちが渦巻いていて、時に笑いながら時に分かる…!と悶え苦しみながら楽しく読み進めることのできる一冊です。
またこの本には著者の悔しみのもととなるたくさんのエンタメ作品が登場しますが、全て「良い作品だからこそ悔しい」というスタンスが
一貫しているため、思わず紹介されている作品に触れてみたくなるというところも面白い部分です。
1年かけて悔しみノートを綴ることで、初めのころはただ当たり散らしているようだった著者の文章にも少しずつ変化が出てきます。
ラスト、その悔しみのゆくえはどこへ行きつくのか。興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。